Jaco Pastorius / Jaco Pastorius
強烈な個性を持つフレージング・アレンジ・ライブパフォーマンスで、死後25年経った今なお多くのフォロワーを生み出しているベーシスト、Jaco Pastoriusのソロデビューアルバム。「ジャコ・パストリアスの肖像」という邦題でも有名。1976年発売。
中学時代に兄(ベース弾き)から彼の存在を聞いて以降、ずっと聞きたいと思っていたのですが結局Jacoのアルバムに触れることになったのはつい最近。月次ですが「もっと早く聞いていれば良かった」とここまで思わせてくれた作品は他にありませんでした。ずっとギターばかり弾いてた俺ですが、数年ぶりにベースを手に取ることとなりました、当然Jacoどころか他のアーティストの曲もロクに弾けませんでしたが。
今でこそ「ベース知らないけどJacoはすごいベーシスト」みたいなイメージが出来上がってますが、当時リアルタイムで聞いた人達の受けた衝撃は推して知るべしでしょうね。物凄い超絶技巧という訳ではありませんが、真似しようとしても真似出来ない唯一無二な世界観を構築している印象があります。個性的という意味ではジミヘンと似てる気がしなくもないですね。両人共早逝してしまったことで一体どれほどの音楽的可能性が失われてしまったのか、そう考えると辛いものがあります。
また手がける曲も素晴らしく、ハーモニクス奏法をメインに据えた5.Portrait of Tracyの幻想的な雰囲気にはすっかり虜となってしまいました。Miles Davisのカバー曲である1.Donna Leeを一度聞けば、ほとんどのベーシストは練習したくてたまらなくなるのでは。
Concierto / Jim Hall
Pat Metheny等現在シーンの第一線で活躍するジャズ・フュージョン系ギタリストに大きな影響を与えた巨匠Jim Hallの作品。1975年発表。82歳という年齢ながら現在も積極的に活動なさっているそうですから驚きです。今年はNHKの番組に出演したそうで、見れなかった事が悔やまれますね。
正直俺は音楽のジャンルに関して全然詳しくないのですが、この作品はどちらかと言うとイージーリスニングなものだそうで、やっぱり「イージーリスニングなど認めん!」みたいな人もいるのかなあと思ったり。しかしそんなことは無関係に良質な曲が詰まっています。ラストのConcierto De Aranjuez(アランフェス協奏曲)はクラシック音楽にクラシックギターを取り入れた20分超の原曲をアレンジしており、このアルバムの目玉と言えるのですが他の3曲の出来も素晴らしい。
ちなみにこのアルバムを聞いた俺は即フルアコースティックギターを買ってしまいました。お手頃な価格だったので満足。今なお1.You'd be So Nice to Come Homeを練習中です、通して弾けるようになるまで一体どのくらいの時間がかかるやら。
ISOLATE / Circus Maximus
2007年発売。Circus Maximusはノルウェーのプログレッシブ・メタルと言いますか、そっち系統のバンドです。困ったときはとりあえず2.Abyssを聞いておけば間違いない、と俺の中で確立されてしまいました。
どのパートの演奏もレベルが高いのですが、あくまで楽曲ありきといった感じで、例えば必要以上にギターが前に出たりしていないため非常に好印象。更に決めるべきところはバシッと難しいフレーズをかましてくれる、お腹いっぱいな作品です。とにかく曲が格好良い。
尚、俺の友人は彼らが出演したイベントを見に行ったそうで、ボーカルはすごい上手かったしAbyssは観客揃っての大合唱だったそうです。物凄く羨ましい。ライブでしか味わえない一体感っていうのは相当な魅力ですね。
NINE / Circus Maximus
同じくCircus Maximusから2012年発売の新譜。2.Architect of Fortune、5.Reach Within、7.Used、9.Burn After Readingが特におすすめ。
Milliontown / Frost*
既にある程度知名度を得ているプレイヤーが集まって結成されたイギリスのバンド。2006年発表のデビューアルバム。とりあえず1.Hyperventilateの躍動感に圧倒されること間違いなし。そのままギターのメロディが素晴らしい5.Black Light Machine、ラストの26分にも及ぶ表題曲まで駆け抜けましょう。二作目があまり好きではなかったので新作が待ち遠しいです。
reMarcoble / Marco Sfogli
個別記事参照。2012年発売。予想を上回る出来でした。個人的ギターインストベストアルバム。
MISOGI EP / GRAPEVINE
邦楽で新しく買ったのはこれだけだったかと…日本のロックバンドGRAPEVINEのミニアルバム三作目。2012年発売です。7年くらいこのバンド聞いてるんですが相変わらずブレないなあと。一聴するとシンプルながらもひしひしとグルーブ感が伝わってくる演奏にボーカルの田中が手がける韻を踏んだ歌詞が合わさり、シンプルなロックナンバーでは痛快な気分に、また彼らの真骨頂であると勝手に思っている叙情的なナンバーでは感傷的な気持ちにさせてくれます。
おすすめは2~4曲目の流れ。特に3.SATORIはややもすると地味な印象を受けるかも知れませんが、この曲の描き出すセンチメンタルな情景はいつまでもこの曲を聞いていたいとすら思わせてくれました。6.RAKUEN(横線は公式で付けられています)も何か考えせられる歌詞でおすすめ。俺の中ではずっと追いかけ続けたいバンドです。ちなみにライブも行きました。
以上アルバムオブ2012でした。相変わらず語彙の少なさが目立ちます。
来年も色んな音楽を聞いて自分の幅を広げていきたいですね。良いお年を。