2012年12月29日土曜日

おもろCDを振り返る2012

読んで字の如く。今年聞いたアルバムから数枚ピックアップして感想を。実際に2012年に発売されたCDはほとんどありませんので悪しからず。



Jaco Pastorius / Jaco Pastorius


強烈な個性を持つフレージング・アレンジ・ライブパフォーマンスで、死後25年経った今なお多くのフォロワーを生み出しているベーシスト、Jaco Pastoriusのソロデビューアルバム。「ジャコ・パストリアスの肖像」という邦題でも有名。1976年発売。

中学時代に兄(ベース弾き)から彼の存在を聞いて以降、ずっと聞きたいと思っていたのですが結局Jacoのアルバムに触れることになったのはつい最近。月次ですが「もっと早く聞いていれば良かった」とここまで思わせてくれた作品は他にありませんでした。ずっとギターばかり弾いてた俺ですが、数年ぶりにベースを手に取ることとなりました、当然Jacoどころか他のアーティストの曲もロクに弾けませんでしたが。

今でこそ「ベース知らないけどJacoはすごいベーシスト」みたいなイメージが出来上がってますが、当時リアルタイムで聞いた人達の受けた衝撃は推して知るべしでしょうね。物凄い超絶技巧という訳ではありませんが、真似しようとしても真似出来ない唯一無二な世界観を構築している印象があります。個性的という意味ではジミヘンと似てる気がしなくもないですね。両人共早逝してしまったことで一体どれほどの音楽的可能性が失われてしまったのか、そう考えると辛いものがあります。

また手がける曲も素晴らしく、ハーモニクス奏法をメインに据えた5.Portrait of Tracyの幻想的な雰囲気にはすっかり虜となってしまいました。Miles Davisのカバー曲である1.Donna Leeを一度聞けば、ほとんどのベーシストは練習したくてたまらなくなるのでは。


Concierto / Jim Hall


Pat Metheny等現在シーンの第一線で活躍するジャズ・フュージョン系ギタリストに大きな影響を与えた巨匠Jim Hallの作品。1975年発表。82歳という年齢ながら現在も積極的に活動なさっているそうですから驚きです。今年はNHKの番組に出演したそうで、見れなかった事が悔やまれますね。

正直俺は音楽のジャンルに関して全然詳しくないのですが、この作品はどちらかと言うとイージーリスニングなものだそうで、やっぱり「イージーリスニングなど認めん!」みたいな人もいるのかなあと思ったり。しかしそんなことは無関係に良質な曲が詰まっています。ラストのConcierto De Aranjuez(アランフェス協奏曲)はクラシック音楽にクラシックギターを取り入れた20分超の原曲をアレンジしており、このアルバムの目玉と言えるのですが他の3曲の出来も素晴らしい。

ちなみにこのアルバムを聞いた俺は即フルアコースティックギターを買ってしまいました。お手頃な価格だったので満足。今なお1.You'd be So Nice to Come Homeを練習中です、通して弾けるようになるまで一体どのくらいの時間がかかるやら。


ISOLATE / Circus Maximus


2007年発売。Circus Maximusはノルウェーのプログレッシブ・メタルと言いますか、そっち系統のバンドです。困ったときはとりあえず2.Abyssを聞いておけば間違いない、と俺の中で確立されてしまいました。

どのパートの演奏もレベルが高いのですが、あくまで楽曲ありきといった感じで、例えば必要以上にギターが前に出たりしていないため非常に好印象。更に決めるべきところはバシッと難しいフレーズをかましてくれる、お腹いっぱいな作品です。とにかく曲が格好良い。

尚、俺の友人は彼らが出演したイベントを見に行ったそうで、ボーカルはすごい上手かったしAbyssは観客揃っての大合唱だったそうです。物凄く羨ましい。ライブでしか味わえない一体感っていうのは相当な魅力ですね。


NINE / Circus Maximus


同じくCircus Maximusから2012年発売の新譜。2.Architect of Fortune、5.Reach Within、7.Used、9.Burn After Readingが特におすすめ。


Milliontown / Frost*


既にある程度知名度を得ているプレイヤーが集まって結成されたイギリスのバンド。2006年発表のデビューアルバム。とりあえず1.Hyperventilateの躍動感に圧倒されること間違いなし。そのままギターのメロディが素晴らしい5.Black Light Machine、ラストの26分にも及ぶ表題曲まで駆け抜けましょう。二作目があまり好きではなかったので新作が待ち遠しいです。


reMarcoble / Marco Sfogli



個別記事参照。2012年発売。予想を上回る出来でした。個人的ギターインストベストアルバム。


MISOGI EP / GRAPEVINE


邦楽で新しく買ったのはこれだけだったかと…日本のロックバンドGRAPEVINEのミニアルバム三作目。2012年発売です。7年くらいこのバンド聞いてるんですが相変わらずブレないなあと。一聴するとシンプルながらもひしひしとグルーブ感が伝わってくる演奏にボーカルの田中が手がける韻を踏んだ歌詞が合わさり、シンプルなロックナンバーでは痛快な気分に、また彼らの真骨頂であると勝手に思っている叙情的なナンバーでは感傷的な気持ちにさせてくれます。

おすすめは2~4曲目の流れ。特に3.SATORIはややもすると地味な印象を受けるかも知れませんが、この曲の描き出すセンチメンタルな情景はいつまでもこの曲を聞いていたいとすら思わせてくれました。6.RAKUEN(横線は公式で付けられています)も何か考えせられる歌詞でおすすめ。俺の中ではずっと追いかけ続けたいバンドです。ちなみにライブも行きました。




以上アルバムオブ2012でした。相変わらず語彙の少なさが目立ちます。
来年も色んな音楽を聞いて自分の幅を広げていきたいですね。良いお年を。

おもろゲーを振り返る2012

今年も残すところ僅かとなりました。あっという間に2012年は過ぎ去り、この調子で2013年もその先も同じ感じで繰り返されていくのでしょう。
というわけで時間を死ぬほど奪い取ってくれたゲームくん達を振り返ってみたいということでこの記事を書いてみたいと思います。まあそんなに新作やってないので今年初めてプレイして印象に残ったゲームをいくつか紹介するという形になりますのでご了承を。順番はプレイした順です。



Deus Ex: Human Revolution

(´▶ω◀`)
みんなの顔文字です たのしくつかってね

Anno 2070


日本では「創世記」シリーズとしても知られている多分ジャンルで言えばRTSな箱庭ゲーというかミニスケープゲームです。このゲームは某所で「AoEとシムシティを足して2で割ったようなもの」と説明されていました。俺はどっちもやったこと無いので詳しくは分からないのですが、聞いた時はすごい納得してしまった覚えがあります。
このゲームを買うまではAnnoシリーズはおろかシミュレーションゲームすらほとんどやったことが無かったので、正直プレイする前に「まさかそんなにハマらないだろう、グラは綺麗だけどシミュレーションって難しくて投げ出しそうだし」とか思ってました。

実際やってみるともうドハマリしてしまいましたね。この作品では温暖化によって陸地のほとんどが水没してしまった地球で、限られた資源をいかに利用して人々の生活を発展させていくか、みたいな割と他人事とは思えない設定なんですが、このどことなく物悲しい背景と、ゲーム中に流れるBGMがすごいマッチしててポイント高いです。
基本的には明確な目標のない「Continuous Mode」というゲームモードでプレイするんですが、プレイヤー以外にCPUの勢力が存在しており、各勢力には環境保護団体や工業推進派、海賊などがあって否が応にも彼らと関わることになるため、機嫌を損ねて宣戦布告されないように自身の政策を柔軟に変化させたり、もしくは彼らを滅ぼすために軍備に力を注ぐなどなかなか忙しい展開になります。だからやることが無くて退屈ということがほとんど無いのが良かったです。ちなみに俺は海賊から戦艦を購入して即宣戦布告して滅ぼしました。

内政面では、基本的に住民の要求を満たすために色々な製品を彼らに供給しなければならないのですが、当然住民の生活の質が向上するに従って必要な資源が増えていくため、ゲーム開始時に上陸する島だけでは十分な資源をまかなえません。また各島によって栽培できる作物や、採取できる鉱物などが決まっているため、暇な船は探索に出して将来進出する島を探しておく必要があります。しかしあまり生産施設を作り過ぎると環境が悪化して住民が不満を持つため、主に都市が存在する島と生産施設が集中する島とに分けるといいでしょう。

なんか文章が長くなって来ましたが、とりあえずミニスケープものが好きな方、結構忙しいゲームが好きな方、自分の作った街が発展していく様を見るのが好きな方、敵勢力を地上から根絶やしにすることに快感を覚える方などは是非プレイしてみてください。

Sid Meier's Civilization IV: Beyond the Sword

マンサ氏ねこ大好き
お前何年前のゲームだよそもそもCiv5出てんだろとか言われそうですが。

一回プレイするだけではイマイチ訳が分からなかったんですが、数回プレイして、ゲームのルールや各指導者AIの特性などを理解して初めてのめり込むことが出来るゲームだと思います。
基本的にプレイヤーを含む各指導者達は都市を建設して自国を拡張していき、勝利条件を目指すというオーソドックスなゲームルールではあるのですが、これは非常に大まかな説明になります。

勝利条件は他の国を全て滅ぼせば勝ち、というのが真っ先に思い浮かぶでしょうし、実際Civ4にも存在します。ただこのゲームには7つも勝利条件があり、それがプレイヤーだけでなくAI指導者にすら臨機応変な戦略を要求します。
戦争でうまく領土を拡大し、一定数以上の領土と人口を手中に収める制覇勝利条件達成目前。ところがタッチの差で敵国に文化勝利条件を満たされてしまい敗北。他国の情勢をほとんどチェックしない横着な俺の場合はよく目にする光景です。要するに自分が勝利条件をほぼ確実に満たせるというだけでは駄目で、AIがどのくらいで勝利条件に到達するかといったことも当然考慮しないといけないわけです。しかし頭では分かっていても、自分が全く狙わない勝利条件はすっかりチェックし忘れたりするので、その勝利条件で先を越されたりすると非常に悔しい。悔しいからこそもう1ゲーム…こう思う頃には既にあなたは立派にCiv廃人の第一歩を踏み出しています。

せいぜい国王(4番目に難しい難易度)クリアが精一杯な俺が思い出せる限りの要点としては、
「開拓者ユニットによって都市を建設し、各都市毎に新たなユニットや施設を生産」
「新たなユニットや施設を解禁する技術を開発」
「都市範囲に含まれるタイルの産出が主なリソースであり、パン、ハンマー、コインがある」
「都市の人口が増えると利用できるタイル数が増加する」
「コインから得られる富を変換したビーカーを消費し、新たなユニットや施設を解禁する技術を開発」
「労働者ユニットが建てる建設物(1タイルに1つ、作り変え可能)はタイル出力を増幅させる」
といった感じです。適当なこと書いてると思うので間違ってたら是非伝えてください。
要するに「新しい技術を開発して国力を増強させていくが、その源のほとんどは自国都市圏内のタイル出力である」というのがほとんどの場合に当てはまることです。一度プレイしてみたもののよく分からずそれっきりな方や、丁度Steamホリデーセールで購入したが何をすればいいのか分からないという人は、これを念頭に置いてプレイすると少しやりやすいかもしれません…とは言えWikiが充実しているのでそちらを見たほうが良いのでしょうが。

なおこのゲームは歴史に題材を取ってはいますが、あくまでシミュレーションゲームとして捉えるべきであり、歴史ゲームとして矛盾があるという理由で批判するのはお門違いだと俺は思います。なんで日本でアリストテレスが生まれるんだよとかどうして鉄がないのに長距離砲が生産出来るんだよとか俺に限らず誰でも思うはずですが、それ以上に戦略ゲーとしての完成度が高いです。
発売から7年経った今でも多くの人を惹きつけて止まない理由が分かった気がしました。

ちなみにCiv5もそうなのですが、Civilization IVも拡張パックによって完成度が高められており、無印→Warlords(略称WL)→Beyond the Sword(略称BtS)という順番です。つまりBtSが完成形と言って差し支え無いと思いますので、特に理由がなければ最初からBtSをプレイすることをおすすめします。無印からBtSに移行した場合、様々な要素に大きな変更があるので混乱するかも。

Farming Simulator 2013

何の前触れもなしに空中を最高速で飛行する謎の物体X
農業ってのどかで平和でいいですよね~などというセリフは本業の人達からすると許せない言葉でしょうが、このゲームに限ってはその言葉が当てはまります。自分のやりたい時に、好きなだけプレイできるし、時間の進み具合や作物の成長速度も調整でき、川のせせらぎや鶏の鳴き声を聞きながら営む、平和な農業シミュレーション。

という一面もまあ確かにあるんですが、どちらかと言うと画像のようなバグや何もしなくても金がたまる風力発電シミュレータなど、多々ある突っ込みどころにどう反応出来るかが鍵のゲームです。なんだよクソじゃんと思う人はこのゲームやめといた方がいいです。

あとは知り合いとのマルチプレイを経験したかしてないかで結構評価が変わる作品だと思います、また機会があれば是非マルチ参加したいです。

Dishonored


個別記事でも書いたので割愛。とりあえずブリンクだけでご飯3杯はいけますね。

Hotline Miami

最近どこかで見たような…?
2Dトップビューバイオレンスドットアクションサイケデリックグロゲー。訳分からない説明ですが多分大体の人には納得してもらえるのではないかと。

主人公は留守電メッセージに残された指令に従い、ドンパチ上等殺し合い上等なマフィアの拠点を殲滅しに行きます。近接武器や銃器で撲殺・斬殺・射殺して、敵を全滅させればステージクリアという至ってシンプルな、悪く言えばどこにでもある構成のゲーム。

しかし予備知識無しに一度プレイしただけでは分からないストーリー、どこかサイケな雰囲気を醸し出す良質なBGM、一発殴られる・撃たれるだけで即死というシビアさ、そしてただ敵を倒すだけ、なのにそれが何故か気持ちいいという爽快感。これらの要素がHotline Miamiを凡庸なゲームから、不思議な中毒性を持った作品に変えています。

個人的には、子供の頃にMSXやメガドライブ、PC98のゲーム音楽を良く聞いて育ったので、今でもゲーム音楽はどちらかと言うとピコピコ音な方が好きなのです。だからそれだけでもこのゲームを買った価値はあったのですが、ゲームシーンを非常に良く表しているような曲ばかりで、しかもゲームとのマッチ具合が物凄く高いのです。決して派手な曲ではないのですが、Chapter12のBGMである「Flatline」の完成度は特に高いと思います。プレイ時間が3時間の時点で俺のiPodにBGMが全曲入ることになるとは思ってもいませんでした。

唯一残念なのは、バグに悩まされる人が多い点。俺の場合は不備なく全チャプターを終えることが出来たのですが、人によっては特定のチャプターで必ず落ちたり、BGMが鳴らなかったりするなど、プレイしたくてもできないバグに見舞われるようです。普通に遊べる人も結構いるあたり原因が不明なのが厄介ですが。またこれは俺もそうですが、Steamオーバーレイが上手く動作せず、スクリーンショットも撮影できません。実績が解除されない人もいるそうですので注意。

Rocksmith


コントローラに本物のギター・ベースを用いた音ゲー。PC版以外にもXBOX360・PS3版が存在しますが、ゲーム内容に関しては大きな差はないそうです。楽器本体と各機種を繋ぐケーブルはリアルトーンケーブルという専用のフォン-USBケーブルを使います。ここまで「ありそうで無かった」という言葉が似合うゲームも珍しいですね。

しかし、ただ「ありそうで無かった」で終わるゲームでは無く、思った以上にゲームとして良く出来ている作品だと感じました。楽曲には実際の洋楽が用いられていますし、ギターを初めて触る人でも弾けるような簡単な曲から、十分歯ごたえのある曲まで様々です。曲は細かなパートに分けられており、各パートにおける運指の難易度や、楽曲の速度を変えて練習することが出来ます。また、通常のアレンジだけではなく、単音弾きアレンジやコードアレンジが存在する曲もあり、自分の好きなスタイルを選択可能となっているのも特徴です。更に、ゲームを進めてポイントを得ることで新しいエフェクターやアンプ等がアンロックされていくため、プレイヤーのモチベも結構保たれます。ちなみに曲の演奏時にはゲーム側が勝手にその曲の音にセッティングしてくれるのですが、この音が結構原音に近いのもギタリスト本人になったつもりで演奏出来て◎。

このゲームで初めてギターに触れる人はもちろんのこと経験者でも、難しい曲を何回も練習して弾けるようになったという喜びを存分に味わうことが出来ます。好きなアーティストのDLCが配信されていれば購入するのが吉。俺のおすすめはRUSHのDLCです。



以上主なゲーム紹介2012でした。Steamerの皆さん良いお年を。来年も良い開発を。

2012年12月6日木曜日

Dishonored

周囲から尊敬され、充実した人生を過ごしてきた男が突然あらぬ汚名を着せられ、皆から忌み嫌われ、蔑ろに扱われるという屈辱的な一生を送ることになる―
転落人生。没落人生。程度の差はあれど、現実世界でもよく聞く話ではある。冤罪により殺人犯扱いされてしまい、氏名経歴など事細かに世に報じられ、懲役刑によって長い年月を奪われたり、収監されなくとも二度と元通りになることはない日常生活の辛さから自ら命を断つ人も少なくは無い。

そのような境遇に置かれた人達はその後何を考え、何を目指して生きようとするのか。いつか這い上がって元の生活を取り戻すことを望むのか、絶望して今置かれている状況をただただ受け入れるだけになってしまうのか。あるいは全てを恨み、復讐だけを考えて生きていくのか。
暗殺者となったコルヴォ・アッターノ
Arkane Studiosが手がけるステルスアクション、Dishonored。本作は女王護衛官であった主人公コルヴォ・アッターノが、謎の暗殺者によって女王が殺害される現場に居合わせたことから女王暗殺の罪を着せられ、投獄されてしまう場面で幕を開ける。このゲームの開発者にはかの「Deus Ex」に携わったハーヴェイ・スミスや「Half-life 2」のデザイナー、ヴィクター・アントノフらが名を連ねており、これらのゲームからの影響を感じる場面もいくつかあった。
舞台は女王ジェサミン・カルドウィンが統治する「諸島帝国」帝都ダンウォール。近世英国をベースとしつつ、ファンタジーやスチームパンク的要素を取り入れたような世界観である。科学技術が発展している一方、ネズミ等を媒介とした疫病が蔓延し、狂暴化した感染者は人々に襲いかかる。治療薬は高価で一般市民には広く行き渡らないという状況下にあり、民を救うことを第一に考える女王と、一連の問題は女王の責任と考える摂政伯爵バイラム・ハローズは対立していた。
王政支持者のハブロック
投獄されたコルヴォは、女王亡き後独裁政治を行う摂政伯爵に対抗し、暗殺の際に誘拐された王女の娘、エミリー・カルドウィンを王位に就かせ王政復古を目指す王政支持者達の協力によって牢屋から脱出し、エミリーの救出を目的としてゲームを進めていくことになる。
人智を超えた存在であるアウトサイダーがコルヴォに様々な能力を授ける
一人称視点の作品であり、ピストルやクロスボウなどといったスタンダードな武器だけではなく、マップ各地に点在する「ルーン」や「ボーンチャーム」によって得られる特殊能力を自由に駆使して、ミッションのクリアを目指すのだが、ターゲットとなる人物を暗殺するかまたは非致死で無力化するかはプレイヤーの手に委ねられている。同様に道中の敵を皆殺しにして進むか、見つからずに潜入してターゲットのみを始末するのも自由である。
そう聞くとやはり「Deus Ex」を連想してしまうのだが、既視感はあっても面白いものは面白い、というのが個人的に至った結論である。ストーリーを進めていく上で理不尽さを覚える箇所は無いし、一見突破不可能な場面に遭遇しても別のルートが用意されていたりと、ステルスアクションの基本をきっちり押さえている印象を受けた。
自分で召喚したネズミに罠を仕掛けることも可能
何よりも短距離を瞬間移動する「ブリンク」が消費マナの少なさも相まって非常に爽快感溢れる能力となっており、ただのステルスアクションとは一味違った操作感を提供している。「ブリンク」以外にも時を止める能力「ベンドタイム」、動物・人間に憑依して操る「ポゼッション」など魅力的な能力が存在し、時を止めて一瞬で複数の敵を射殺したり、敵兵に憑依して高所から落下させて倒すなど、武器や能力の組み合わせ方次第で幾通りものプレイスタイルを作り上げる、特殊能力自体の演出の格好良さもあり、容易に自分のプレイに陶酔することが出来るだろう。
マップ上で発見できる設計図を持ち帰ることで、各種装備のアップグレードも購入出来る。非殺にこだわるなら武器を強化する必要はほぼ無いし、特殊能力が便利過ぎるためアップグレードしなくても特に困ることはないのだがどうせ金は余るので暇があれば購入しておくと思わぬところで助けられる…かもしれない。
ミッションクリア後にスタッツが表示される
各ミッションで敵を多く殺害したり多数の戦闘を行ったりすると「カオス」が上昇していき、カオスの高低でイベントの進行が変化する場合もある。同様にエンディングもカオス値に大きく影響を受け、全部で三種類のエンディングが存在する。
疫病治療薬を開発した天才、アントン・ソコロフ
ストーリーは予想だにしなかった展開というものは少なく、そこまで深い訳でもないのだが、プレイヤーをゲーム内の世界に引き込むには十分なものであったと思う。キャラクターについては、暗殺対象とされる人物が完全な悪人であると言い切れない場合が多く、そこが一層プレイヤーの選択を面白くしていると感じた。ダンウォールで一、二を争う天才ピエロ・ジョプリンや同じく頭脳明晰で様々な分野に優れる宮廷医師アントン・ソコロフなども単にお固い人物ではなく時としてユーモラスであり、緊張感溢れる隠密任務の合間に一時の安心を与えてくれる。
一目見てBioshockを想起した
今年のGame of the Yearにもノミネートされている本作だが、残念ながらPC版は現段階では公式日本語化はされておらず、有志による日本語訳もフォントの問題から難航しているようである。しかし細かい内容が分からずとも、このゲームのを体験する価値は十分にあると感じさせる作品だった。

2012年12月3日月曜日

Sleeping Dogs

なんか発売までに紆余曲折あったらしいトゥルークライムシリーズの最新作です
そもそもトゥルークライム系やるのはこれがほぼ初めてなんですが

独特のタッチ
主人公のウェイ・シェンは香港出身の潜入捜査官
舞台は香港で、チャイニーズマフィアのトライアド「サン・オン・イー」に絡む形で進んでいきます
幼馴染のジャッキーはサン・オン・イーの使い走りで、彼を足がかりにシェンは組織へ潜入
トライアドは裏切りを何よりも嫌うため罪悪感に苛まれる描写もしばしば

サカナ・de・キル!
ゲーム内容はオープンワールドの王道という印象
ミッションをこなすも自由、一般人を車で轢きまくるも自由、服を買いまくるも自由です
コレクターアイテムもあるので完全クリア目指すなら20~30時間くらいかかりそうな感じ

カーチェイスは逃げ切るより車ぶつけて
破壊したほうが早いという
主人公が警察であることは一部にしか知られていないので警察に犯行現場を見られると追われます
しかし捕まらなければ特にペナルティがあるわけでもないので気にせず車盗みまくったりしていいです

やっぱ骨折?
当然スキルツリーもあり主に警官XPとトライアドXPを得ることで新しいスキルを入手できます
ただミッション数に限りがあるので出来るだけ1ミッションで多くのXPを稼ぐようにしましょう
どっちかというとトライアドXPが少なくなると思うので入手XP上昇の服とかを装備するといいかも
そのせいで好きな服着れないのはちょっと残念ですが

似非ミラノコレクションAT
またカンフー技はマップ各地に存在する十二支像をシェンが昔通っていた道場に返却することで覚えられます
かなり便利な技もあるので像の返却はこまめにしておくと吉
でも技教えてもらう時にお前は青学の恥なんやでみたいな感じに師匠からボロクソ言われまくるのが気になりますね

なんでカッコつけてんのこいつら
カーレースや香港カラオケ(簡易音ゲー)、ギャンブルなどお遊び要素もそこそこあり
また音楽も個人的にかなり好みのものもあり、さらに車での移動中に聞けるラジオRoadrunner Recordsアーティストの曲とかも聞けたのでちょっと感動しました

TIN♂TIN
視点操作などマウスの挙動が不安定で銃撃戦がやりにくい
現在地と目的地に階層差があるとマップ上に示されるルートがあまり役に立たない
敵集団と対峙しているのに背後から敵がスポーンすることがある
ボタン連打がめんどくさい
とかありますけどアクションが派手で栄えるものが多いしマップ移動のストレスもほとんど無いので規制ありとはいえ結構楽しめました

香港カラオケ楽しいNE
スクエニなのでクソ高いですが安くなったら購入おすすめです
ぜひ自由自在にハウリングを発生させられる香港カラオケの真髄を体感してみてください


ネコハデス