2013年1月14日月曜日

Ghost in the Machine / The Police


「3年くらいで、ビートルズが作った記録を全て塗り替える」

1978年、思い上がりとも言えるようなこの発言を臆することなく豪語してデビューしたバンド、ザ・ポリス。
結局それは実現しなかった訳だが、だからと言って私の中で彼らがビートルズに劣るかというと、決してそんなことはない。むしろビートルズ以上に圧倒的な個性と存在感を以ってして私の音楽性に影響を与えていることについて疑いの余地はないのである。


…と堅苦しい文章で書いてみたわけですが、疲れるのでいつもの文体で書くことにします。気が楽です。


ポリスはベースボーカルのスティング、ギターのアンディ・サマーズ、ドラムのスチュワート・コープランドの3人からなるイギリスのバンドです。The Policeとしてのデビュー前、ラスト・イグジットというジャズバンドで活動していたスティングを、プログレッシブロックバンド「カーヴド・エア」で活動していたコープランドが説得し、ギターのヘンリー・パドゥバーニを加えた3人で結成。その後アニマルズ後期のギタリストであったサマーズが加入して4人編成となるも、パドゥバーニが脱退してスリーピースとなったのが一般に知られるポリスです。
ちなみにスティングとは芸名で、黄色と黒のストライプ柄の服を良く着ていたことからSting(チクリと刺す、蜂)と呼ばれるようになったそうな。

そして1978年、パンクブームに乗っかって「アウトランドス・ダムール」でデビューした(※1/31訂正:シングル「フォールアウト」でデビュー、ファーストアルバムは「アウトランドス・ダムール」)彼らは「孤独のメッセージ」や「高校教師」などのヒットを飛ばすこととなりますが、それらが収録されているアルバムについてはそのうち書くかも。


今回紹介するアルバム「ゴースト・イン・ザ・マシーン」は1981年に発表された4枚目のアルバムで、有名所としては1.Spirits in the Material World、2.Every Little Thing She Does is Magicなどが収録されています。彼らの音楽性として良く取り上げられるのは、ロックの枠組みにレゲエを取り入れた独特のリズム感です。


今作ではレゲエ風味は大分薄れているようですが、1.Spirits in the Material Worldに表れる裏打ちのリズムから、レゲエを取り入れたサウンドから完全に決別しているわけではないことが分かります。上記動画を聴くと分かる通り、この曲のAメロのドラムは「弱・強・弱・強」のリズムパターンとなっていますが、おそらく世の中の大半の曲は「強・弱・強・弱」というように、一拍目にアクセントを置いたリズムとなっているはずです。この裏拍にアクセントを置いたものを裏打ちといってレゲエでは特徴的なリズムらしいです。俺はレゲエ聞いたこと無いので分かりませんが。


そのように斬新なリズムを取り入れたポリスのサウンドは、やはり圧倒的なグルーヴによって聴く者に有無を言わせぬ一体感を生じさせます。正直俺が初めてポリスを聞いた時は3ピース故かはたまた今まで聞いたことの無いような楽曲群故か、イマイチパッとしないなあと思っていたのですが、数回聴く頃にはそのリズム感に勝手に体が動くほどに取り憑かれていたのです。

個人的に気に入っている曲としては、親が良く聞いていたことでポリスというバンドに触れるきっかけとなった1.Spirits in the Material World、美しい叙情的なメロディーで始まり、サビで一転して明るい雰囲気となる2.Every Little Thing She Does is Magic、ブラスサウンドと骨太のバンドサウンドがひたすら格好良い4.Hungry for You(J'Aurais Toujours Faim de Toil)、ギターサウンドを前面に押し出し、このアルバムのベストトラックに挙げる人も多いサマーズ作曲の9.Omegaman、ひたすら地味ながらシンセサウンドとベースの兼ね合いが織りなす幻想的・退廃的な印象が絶妙な11.Darkness等です。


ポリスといえばこのアルバムよりは次作にして(現時点で)最後のアルバム、「シンクロニシティー」が何かと取り上げられることが多いようですが、このアルバムも決して劣らない完成度だと思います。Synchronicityの「見つめていたい」のような超有名曲が無い分、分かりやすさという面では若干劣るかもしれませんが、こちらのアルバムはひたすらノリがよく格好良い曲が多いので、他のアルバムを何枚か聞いた後にこのアルバムに手を出すのが良いのかもしれません。

ちなみにアルバムタイトルとなっている「Ghost in the Machine」とは、かのデカルトが唱えた唯物論に対する批評で誰かが言った言葉だそうですが詳しくは分からないので調べてみてください。次作の「Synchronicity」もユングの著書だったと思うのですが、これらからもスティングが哲学から歌詞や楽曲のイメージを膨らませていたことが想像できて興味深いですね。特にマテリアル・ワールドの歌詞は哲学的に感じます。


なおアルバムジャケットは当時流行っていた(らしい)デジタル文字を使ってメンバー3人を表したものとなっています。とは言え、俺は最初これらが顔であることにすら気付かなかったので一応解説画像的なものを挙げておきましょう。3ピースで3つ何かが並んでるんなら普通気付きそうなものですけどねえ。結局俺が気付いたのは曲をほとんど覚えてしまってからでした。
そういえば再結成後の東京ドームライブでコープランドはこのデザインのTシャツを着ていたので俺も欲しいです誰かください…とか思って調べたら結構安いんですね、届いたら画像アップロードするかもしれません。


「Synchronicity」についてもまた近い内に書きたいと思ってます。

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